SASスクリーニング検査に活用できる助成金・補助金制度(2025年最新版)
- 広子 木村
- 11 時間前
- 読了時間: 5分
SASスクリーニング検査
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は運輸業における重大事故のリスク要因とされ、事業者にとって避けては通れない課題となっています。安全管理・事故対策・健康管理の一環としてSASスクリーニング検査を導入する動きが広がっており、検査費用の一部を補助する制度も各団体で整備されています。

ここでは、主要な助成金・補助金制度の概要と活用の流れについて整理します。
SASスクリーニング検査の助成金・補助金制度を設けている主な団体
SASスクリーニング検査に関する助成金・補助金を設けているのは主に以下の3つです。
※団体ごとに条件や補助率、上限額が異なりますので、必ず所属団体へ確認する必要があります。
各都道府県のトラック協会:全日本トラック協会の方針に基づき、都道府県単位で制度を設計。
各都道府県のバス協会:都道府県ごとに助成条件や検査指定団体が大きく異なる。
国土交通省:2025年8月に新たに開始。他の補助金との併用が不可のことがあり注意が必要。(トラック協会の助成金は国の補助金との同時申請を不可としているため併用不可)
トラック協会のSASスクリーニング検査助成金制度
トラック協会の助成金は業界全体で広く利用されてます。全日本トラック協会が主導し、各都道府県のトラック協会が窓口となっており、助成内容は都道府県ごとに異なります。 例えば
1人当たり助成上限額
会社単位での申請上限人数
精密検査の助成可否
助成金の総予算
といった条件が都道府県ごとに異なります。
そのため、複数の都道府県に拠点を持つ事業者は、全拠点分の都道府県別の情報収集が必要となります。
当NPOでは、全国のトラック協会の助成金制度を一覧にまとめた資料を用意し、各地域の最新情報を効率的に確認できるようにサポートしていますのでぜひご活用ください。
さらに注意すべき点として、トラック協会の助成金利用は指定検査団体・医療機関でのSASスクリーニング検査実施が必要です。
指定団体は全国対応の「指定検査機関」と都道府県別の「指定専門医療機関」の2種類があります。法人単位で広範囲大規模に検査をする場合は、全国対応の指定検査機関の利用がおすすめです。
一方で健康診断を行っている医療機関が指定医療機関である場合や、新入社員1名にすぐに検査を行いたい場合などは指定専門医療機関にご依頼されているケースも見受けられます。
当NPO法人睡眠健康研究所はトラック協会の指定検査機関であり、20年以上法人向けにSASスクリーニング検査を実施しております。
多くの従業員を対象とする大規模一斉検査に対応
検査機器の往復送料無料
一定数必ず発生する再検査を1回無料で対応
繁忙期に備えた機器の仮予約制度
初めてでも安心できる従業員説明資料の提供
毎年4月以降に助成金情報が公開されると、6月から11月に特に検査が集中します。50名以上の検査を予定している場合は助成金・検査機器ともに早めに確保することが重要です。
バス協会のSASスクリーニング検査助成金制度
バス協会でも各都道府県ごとに独自の助成金制度が設けられていますが、条件は地域差が大きく、検査団体の指定有無も異なります。
当NPOでもバス協会の助成金検査の実績は多数ありますが、助成金を利用せず実費で検査されている事業者も少なくありません。ただし、制度をうまく使えばコストを抑えて検査が可能ですので、まずは所属団体での確認が推奨されます。
なお、助成金を利用しない場合、混雑期を避けた1月から4月の実施が比較的スムーズです。混雑期に検査を予定される場合は検査機関に早めにご相談・お問合せください。
国交省のSASスクリーニング検査補助金制度
2025年8月に公表された国交省の補助金制度は、SASスクリーニング検査を含む健康起因事故防止を目的としています。バス・トラック・タクシーなど広く運輸業を対象としています(詳しい条件は公募要領をご参照ください)。
ただし他の国を財源とする補助金との併用はできず、かつ財源は異なりますが全日本トラック協会の助成金と国交省の補助金の同時利用はできません。検討される場合は必ず事前に申請予定の事務局までお問合せください。
詳しくはこちらの解説記事もご覧ください。
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SASスクリーニング検査 助成金・補助金申請の流れ
SASスクリーニング検査・助成金活用の流れは以下のようになります。
制度情報の収集(必要予算の把握)
検査実施方針の社内調整
検査仮予約(混雑期に希望の時期に検査をするため。当NPOでは事前予約が可能)
予算の稟議申請・承認
所属団体への助成金申請(※検査申込前の申請が要件のことも)
検査の申し込み・実施
申請の必要書類取得・提出
助成金の受給
団体によって手順は多少異なりますが、このフローを把握しておくことでスムーズな申請が可能になります。
まとめ|SASスクリーニング検査の助成金・補助金活用
SASスクリーニング検査の助成金・補助金は、事業者にとって安全投資とコスト削減を同時に実現できる制度です。ただし条件や申請枠は団体ごとに異なり、年度ごとに変動する場合もありますので、まずは所属団体の制度を確認し、必要に応じて早めの準備を進めることが大切です。
当NPOでは、全国の助成金・補助金制度情報の提供から、法人単位の大規模検査まで幅広く対応しています。
SASスクリーニング検査の導入や助成金活用を検討される際には、ぜひご相談ください。